『空き家特措法』が改正されます~【管理不全空き家】となる前に

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『改正空き家特措法』が本年中に施行される予定です
 
2015年5月に完全施行された「空き家等対策に関する特別措置法(空き家特措法)」の改正法案が今年6月に国会で可決・成立し
 
公布から6か月後の本年中に施行されることとなります
 
 
 
 
現行法では、倒壊のおそれがある等で周囲に危険が及ぶといった、かなりひどい状況の空き家が「特定空き家」に指定され、勧告に従わないと
 
固定資産税の住宅用地特例から除外される…等の措置が取られていましたが、改正法では、適切に管理されておらずそのまま放置すると
 
いずれは「特定空き家」となるおそれがある空き家を「管理不全空き家」に指定し、「特定空き家」と同様の措置を取ることができる…
 
という大きな改正点はすでにご存じの方も多いのではないでしょうか?
 
 
 
 
「管理不全空き家」とは、建物の一部が壊れている(例えば窓が割れていたり)、敷地に雑草が生い茂っている等の状態が想定されており
 
その基準は今後指針で定められます。「管理不全空き家」に指定され、改善の助言や指導に従わず勧告を受けた場合は「特定空き家」と同様に
 
固定資産税の住宅用地特例が外されることもあり、『管理の行き届いていない空き家は固定資産税が6倍に?!』 などの見出しも散見されています。
 
ちなみに固定資産税については下に記載のとおり、アップはしますが6倍にはならないようです。
 
 
 
現行法においても管理が行き届いていない空き家については、法律や各自治体の条例により改善の助言や指導、さらに氏名公表や勧告…など
 
同様な措置をとることができますがなかなかその対応が難しいところもあり、行政がより積極的な空き家対策を進められるように今回の法改正となっています。
 
 
 
 
 
 
 
おもな改正点は…

空き家所有者の責務強化

現行法にある「適切な管理」努力義務に加えて、「国・自治体の施策に協力する」努力義務が追加されます
 
 
 

き家の活用拡大について

市町村が空き家等活用促進区域を指定することができ、空き家等活用促進指針を定めた場合に接道規制や用途規制を合理化し
 
 用途変更や建て替えを促進できるようになります。また区域内の空き家の所有者等に対し指針に合った活用を要請することもできます。
 
 空き家をカフェや宿泊施設へ活用する…等の可能性も広がるようです
 
 
空き家等の管理・活用に取組むNPO法人や社団法人を「空き家等管理活用支援法人」に指定する制度が創設されます。
 
 それらの法人は公的な立場を与えられ、空き家所有者への活動や管理に係る相談や、所有者と活用希望者とのマッチング等の活動がしやすいよう
 
 環境が整備されます。
 
 
 

管理の確保(悪化の防止)

先にあるとおり、そのまま放置すると「特定空き家」になるおそれがある空き家を「管理不全空き家」として指導・勧告し
 
 勧告を受けた敷地は固定資産税の住宅用地特例を解除されるようになります
 
適切な管理のために特に必要があると認めるときには所有者に代わって建物管理を行う「管理不全建物管理人」を市町村が選任請求できるようになり
 
 空き家所有者把握の円滑化のため電力会社等に情報提供を要請できるようにもなり、「特定空き家」となる前の段階からの対策がより進められようになりました
 
 
 

「特定空き家」の除却等について

市区町村長に「特定空き家」に対する報告徴収権(資料等の提出を求める権利)を与え、勧告等がスムーズにできるようになります
 
緊急時において命令等の手続きを経ず代執行を可能とする緊急代執行制度を創設し、迅速な安全の確保が可能となります
 
略式代執行時(所有者不明時の代執行)や緊急代執行時において 裁判所の確定判決を得ずに費用徴収が可能となります
 
民法上では利害関係人に限定されている「財産管理人」の選任請求権を市町村長にも認めることにより、相続放棄・所有者不明等の「特定空き家」や
 
 「管理不全空き家」について修繕や処分を進められるようになります
 
 
 
これらの改正により
 
「特定空き家」の除却等がより促進され、その前段階である「管理不全空き家」についても対策がより進めれ
 
周囲に悪影響を及ぼす前の段階から空き家の有効活用や適切な管理を確保し、空き家対策が総合的に強化されるようになります。
 
 
 
 
 
 
 
住宅用地特例が撤廃されると固定資産税はどうなる?
2015年の空き家特措法施行の頃から、「特定空き家」に指定されると固定資産税の住宅用地特例(課税標準額が6分の1)から除外され
 
『固定資産税が6倍になる?!』との見出しを目にすることがあり、今回の法改正でさらに「管理不全空き家」も同様の措置が取られることから
 
またまた固定資産税の増額がクローズアップされることとなっています。
 
 
 
実際のところ、助言や指導に従わずそのまま空き家を放置し、万が一「特定空き家」や「管理不全空き家」との勧告を受け
 
住宅用地特例が撤廃されて、土地の課税標準額が元に戻ったとしても、土地の固定資産税が急激に上昇して税負担が重くなりすぎないよう
 
段階的に上昇するようにした仕組みである負担調整措置により、その翌年からの固定資産税がいきなり大幅に上昇することにはならないようです。
 
段階的に徐々に固定資産税は上がっていきますが、負担調整措置による課税標準額の調整具合に変わりがなくなり、最終的には約4倍程度まで
 
上がることとなり、固定資産評価額が変わらない限りそれ以上高くなることはないそうです。
 
都市計画税についても同様に考えられ、最大約2倍程度まで上がることとなるようです。
    
 
 
確かに6倍ではないにしろアップすることに変わりはなく、固定資産税の増額ばかりクローズアップされますが
 
「特定空き家」や「管理不全空き家」と指定されるまでに、改善の助言や指導が度々なされるので
 
その状況を回避する機会は多々あるはずです。
 
それに何よりまずは助言や指導を受けることのないように空き家の維持・管理を目指していただきたいです。
 
 
 
そうは言っても、ずっとお住まいだったが事情があり住まれなくなった家やご両親等から相続されたもののご自分では住むことはない家、
 
遠方に住んでいてなかなか適切に管理するのが難しい…など空き家になってしまうには種々様々な事情があってのことで
 
2015年の空き家特措法施行後も空き家問題が解消へと進んでいかない難しい現実があるのでしょう。
 
続いては 空き家問題の深刻さがうかがえる…そんなデータを平成30年度に実施された統計調査結果から抜粋してご紹介します。
 
 
「居住目的のない空き家」の現状~国土交通省空き家対策小委員会とりまとめデータより(令和5年2月)~
 
 
 
全国の空き家総数は約850万戸。20年で1.5倍に増加しており、そのうち別荘やセカンドハウス・倉庫として二次利用することもなく、
 
売却したり賃貸に出すこともなく長期間にわたって居住世帯が不在だったり、建て替えなどのために取り壊すことになっている等の
 
「居住目的のない空き家」が2018年には349万戸と、1998年の182万戸から20年間で1.9倍となり、今後も増加すると予想されています。
 
この「居住目的のない空き家」は今後もそのまま放置され、適切な管理がなされず「管理不全空き家」さらには「特定空き家」へと
 
進んでいく可能性が高いと考えられいます。今年は5年に一度の住宅・土地統計調査が実施されていますので 
 
いずれまた空き家についてもより現状に近いデータを目にすることができます。
 
 
 
 
5年前のデータですが、この「居住目的のない空き家」についてさらに詳しく見ていくと、他人事とは思えない現実が垣間見えてきます…