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column兵庫区の空き家率24.7%から見える 神戸市の空き家事情とは?

公開日:2026/07/13

総務省「2023年住宅・土地統計調査」によると、神戸市兵庫区の空き家率は24.7%となり、市内で最も高い数値となりました。

「空き家率24.7%」と聞くと驚かれる方も多いのではないでしょうか。

しかし、空き家の状況を詳しく見ていくと、地域によってその特徴は大きく異なっているようです。

今回は、神戸市各区のデータをもとに、空き家事情について考えてみることにしました。

 

 

神戸市各区の空き家率を比較してみると

2023年住宅・土地統計調査によると、神戸市兵庫区の空き家率は24.7%と、市内で最も高くなっています。

また、前回の2018年調査時の16.2%から大きく上昇していることも特徴です。

兵庫区の次に長田区が17.5%と高いですが、前回調査の18.3%からは減少が見られました。

 

この他、東灘区、灘区、須磨区、垂水区でも空き家率が低下しており、

その一方で、中央区、北区、西区では、前回調査よりも、空き家率の上昇が見られましたが、いずれも市平均(13.8%)よりは低い数値となっていました。

兵庫区の空き家率24.7%は、ちょっとビックリな数字ですが、その背景を考えるには、

空き家率という「割合」だけではなく、総住宅数や空き家数そのものがどのように変化したのかも見てみることにしました。

 

そこで次に、2018年・2023年調査結果から各区の総住宅数と空き家数の増減を比較してみます。

 

 

 

総住宅数と空き家数の変化から見える地域ごとの特徴

兵庫区の空き家率24.7%から見える 神戸市の空き家事情とは?

兵庫区の空き家率24.7%から見える 神戸市の空き家事情とは?

2018年から2023年までの5年間の各区の総住宅数の増減と空き家数の増減を見てみると、兵庫区では総住宅数、空き家数ともに大きく増加しています。

特に空き家数は約9,100戸増加しており、神戸市内でも突出しています。

総住宅数も増加していることから、この期間に新たな住宅の供給が進んだことや、

住宅ストックの構成が変化したことなども影響している可能性があります。

 

一方で、須磨区や垂水区では、総住宅数、空き家数ともに減少しています。

これは、空き家の利活用や建替え、老朽住宅の除却など、住宅ストックの整理が進んでいる可能性が考えられます。

神戸市内でも地域によって空き家を取り巻く状況は大きく異なっていると言えそうです。

空き家率は分かりやすい指標ですが、その背景を理解するには、「割合」だけでなく、

住宅数や人口など、空き家を取り巻くさまざまなデータをあわせて見ることが大切です。

 

次に、人口の変化との関係を見てみます。

 

 

 

人口減少だけでは説明できない空き家の増加

空き家が増える要因として、人口減少を思い浮かべる方も多いかもしれません。

そこで、直近3回の国勢調査の結果から、2015年から2020年、2020年から2025年の各5年間での人口の増減を調べてみました。神戸市全体では人口減少が続いており、2025年の国勢調査(速報値)では、国勢調査として初めて人口が150万人を割り込みました。

そんななか、兵庫区では、人口は増加傾向にあり、中央区でも同様の傾向が見られました。一方、多くの区では人口減少が続いています。

このことから、空き家の増加は単純に人口減少だけで説明できるものではなく、地域ごとの住宅事情や住宅供給、住み替えなど、さまざまな要因が関係していると考えられます。

さらに、兵庫区では人口が増加しているだけでなく、世帯数も2015年の約57,000世帯から2025年には約67,000世帯へと増加しています。

一般的には人口が減少すれば世帯数も減少するように思われますが、単身世帯の増加や世帯規模の縮小などにより、人口動向と世帯数の動きは必ずしも一致しません。

人口や世帯数が増える一方で空き家も増加していることから、空き家問題の背景には、住宅を取り巻く環境の変化も影響している可能性が考えられます。

では、兵庫区ではどのような空き家が増えているのでしょうか。次に、空き家の種類に注目してみます。

 

 

 

空き家の種類にも地域ごとの特徴が

兵庫区の空き家率24.7%から見える 神戸市の空き家事情とは?

兵庫区の空き家率24.7%から見える 神戸市の空き家事情とは?

2023年住宅・土地統計調査によると、兵庫区の空き家20,500戸のうち、約13,250戸が賃貸用空き家でした。

また、中央区や灘区、西区でも、空き家の多くを賃貸用空き家が占めています。

これらの地域では、賃貸住宅の供給が多いことが、空き家率にも影響している可能性が考えられます。

ただし、その空き家が新築住宅の空室なのか、既存の賃貸住宅の空室なのか、

あるいは空き家を再生・利活用した賃貸住宅の空室なのかなど、

その背景までは今回のデータからは分かりません。

 

一方、北区や長田区では、賃貸用・売却用・二次的住宅を除いた「その他空き家」の割合が比較的高くなっています。

「その他空き家」には、相続後に利用されていない住宅などが含まれるため、

今後の利活用や管理の対象となる住宅が比較的多い地域である可能性も考えられます。

 

このように、空き家問題と一口に言っても、

 ・賃貸住宅の空室が多い地域

 ・利用されていない住宅(その他空き家)が多い地域

 ・空き家の整理や利活用が進んでいると考えられる地域

など、その背景は地域によって異なっているようです。

 

 

 

空き家対策は地域を知ることから

今回のデータを通して見えてきたのは、空き家問題は地域によって背景が大きく異なるということです。

兵庫区のように賃貸用空き家が多い地域もあれば、「その他空き家」の割合が高い地域もあり、

空き家を取り巻く状況は一様ではありません。

 

そのため、ご自宅や将来相続する可能性のあるご実家について考える際も、地域の住宅事情を知ることが大切です。

建物の老朽化が進んでからでは、活用や売却の選択肢が限られてしまうこともあります。

 

「まだ先のこと」と思わず、まずは地域の状況を知り、ご自身の家について考えてみることが、

空き家対策の第一歩になるかもしれません。

 

 

 

さいごに

阪神空き家再生機構では、空き家や、相続したご実家、今後相続する可能性のあるご実家について、

  ・活用

  ・売却

  ・管理

などのご相談を承っています。

「将来的に空き家になるかもしれない」

「この家は活用できるのだろうか」

そんな疑問をお持ちの方は、まだ具体的な予定がなくても構いません。お気軽にご相談ください。

 

 

今回の分析では、地域によって空き家問題の背景が異なることが見えてきました。

しかし、公的データから読み取れることには限りがあり、その背景には住宅供給や世帯構成の変化など、

さらにさまざまな要因が関係している可能性もあります。

 

阪神空き家再生機構では、今後も公的データや現場での経験をもとに、

神戸市の空き家事情をさまざまな視点から読み解き、情報を発信していきたいと考えています。